カイメイSNSでこのブログを登録させて頂いているんですが、その「最新blog」欄に表示に変な広告が入ってしまっています。
サイト本館に表示させているRSSのスペースにおいても同様です。
ご迷惑をおかけしてすみません。
別にこういう記事を書いている訳でもないのにどうしてなんでしょうね。
自分のサイトはともかく、SNSの方に広告が表示されるのは困ります。
今日この記事をアップした後、もう一度SNSのblog欄を確認してみて、また新たに広告が入るようだったら、ブログ登録は解除しようと思います。
追記で「悪ノ箱庭」メモ書きばーぢょん続きです。
今回から暫く紅い子視点になります。
今書いている「あれは遠い~」という章題の話は、物語全体のプロローグ部分になります。
なる筈です(オイ)。
最初は青:赤:緑が2:2:1くらいと考えていたんですが、2:4:1くらいになるかもしれません。
紅い子視点が、そしてエピソード自体が、長くなりすぎないようにしないと。
「なんだか馬車が忙しなく行き来してるわね。午前中だけで5台は見かけたわ。ほら、今もまた1台」
石を拾っていた手を止め、娘は首を傾げた。
視察へ赴く父を見送り10日ほどが過ぎたある午後のことだ。
立ち上がり、身につけている乗馬服の膝を払う。大人達の目が無いのをいいことに、娘は赤の領地にいる時と同じ格好で過ごしていた。
馬に乗る時はもちろんのこと、少年と剣の手合わせをする時も、二人で庭に寝転ぶ時も同様である。
「何かあるのかしら」
「『緑の姫巫女』が来るんだよ」
さして興味なさげに少年が答える。
彼も先日とは異なり、市井の子供と変わらない服装をしている。石を河面に投げて何度か跳ねさせながら、「避暑と静養を兼ねてね」と続けた。
「奇跡の姫君が!」
娘は驚き、紅玉色の瞳を見開いた。
『緑』はこの島国の南端に位置する小さな国だ。
総大司教のおわす神殿を初めとして、寺院と宗教施設、神官達の世話をする人々が暮らす街と港、それだけの都市国家である。
経済は『青』、食料は『黄』に依存しているが、『緑』自体は「聖地への恭順は信徒の義務であり歓び」と、当然のものとして受け止めている。
青の国へ来る前に、娘は父親とともに緑の国へ立ち寄っていた。
そこで総大司教の説法と祝福を受けたのだが、噂に聞く『緑の姫巫女』の姿を目にすることは叶わなかった。
神の寵愛の証と名高い碧羅の髪と翡翠の瞳を持つ巫女に、ぜひ会いたいと思っていたのだが。
「この城は『青』の王族にとっては避寒地なんだ。同時に、緑の国の高官達の避暑地でもある。『青』の南端に位置していて、周りは小さな集落がいくつかと、三方を囲む奥深い森と山だけ。職務と人の目から逃れるには持ってこいだから」
「港もあるでしょう。私がペーパーナイフを買った」
「『緑』への中継地点になるからそれなりに大きいけど、どうせ冬には凍ってしまう港だよ。ここら一帯は箱庭だと思えばいい。穏やかな気候、美しい景色、そして外界から遮断されている」
石を投げながらそう口にする少年の顔は、相変わらず仮面に隠されている。よって表情を伺うことはできなかったが、どうにも寒々しい雰囲気を感じて、娘は首筋の辺りを押さえた。日差しをたっぷり浴びた赤毛は、見た目そのままに温かい。
「静養が必要だなんて、姫巫女はどこかお悪いの?」
「ここにいる人間は、皆どこかしらが『お悪い』よ。未だご滞在遊ばす『青』の主はその筆頭だね。今頃は部屋に籠もって酒浸りになっているだろう……『盾持つ蒼薔薇』も堕ちたものだ」
少年はそう言って、庭園の小径の沿って立つポールを見上げた。そこに架けられたタペストリーが風を受けて翻る。布地には青の王族の紋章である蒼薔薇と盾とが描かれていた。