:「ぐっもーにん☆ メイコでぇす(*≧∇≦)ノ"」
:「!? ……メイコ、ちょっと台本を貸してみようか」
:「いいわよ? どうぞ」
:「……昨日一緒に確認した物とはだいぶ違うね」
:「ついさっき、急遽変更になったからって、管理人から渡されたのよ。ほらここ。裏表紙の走り書を見て」
:「“ナウでヤングなベイベー達のためにはじけていこうZE☆フィーバー!”……」
:「どうしたの、渋い顔をして」
:「……いや、字が汚いなぁと」
:「本人も気にしてるらしいわ」
:「それはともかく、メイコ、この台本だとやりにくいだろう」
:「実は少し。“gdgd”とか“wktk”とか何て読めばいいのかしら(わかちこ?)」
:「(ゆってぃ?)やっぱり前の台本に添ってやろう」
:「そうしましょうか。……では、改めて。メイコです。おはようございます」
:「カイトです。よろしくおねがいします」
:「今日は“二藍”の住人が交代でトークショーのゲストを務めます」
:「管理人の突飛な思いつきにより、何故か駆り出される事態に陥りました」
:「キャラクターやストーリーを真面目に突き詰めようとして行き詰まったらしいわ」
:「足りない頭で大風呂敷を広げすぎるからそうなるんだ」
:「(なんだか今日は毒舌ね)というわけで、気分転換と設定の再確認、それに管理人の好きな動画の紹介を兼ねてお送りします」
:「どうぞおつきあい下さい」
:「それでは1曲目。夏の朝に相応しいこちらをどうぞ」
:「演奏は大変素晴らしいけど、それにしても管理人は何を考えてこの選曲を……」
:「さぁ、“夏だから”としか……」
:「なるほど、暑さで脳が煮崩れてるのか」
:「カイト、もっとオブラートに包んであげて」
:「失礼。ええと、次は質疑応答のコーナーだね」
:「こちらにお手紙が届いています。『メイコさんはいつも和装ですが、ブラj……』」
:(メイコの手元のハガキを音速で握りつぶして)「メイコ、次の質問にいこうか」
:「え、まだ途中よ?」
:「いいから次」
:「? わかったわ。じゃあ、次のお手紙ね。『メイコさんへ質問です。パンツ何色? むしろ履いてる?』……カイト、どうしたの。頭なんか抱えて」
:「(どいつもこいつも……!)その質問には“ググレカス”と答えるのが模範的だよ」
:「それは何語? どういう意味なの」
:「“ググレカス”と答えるのが正しい」
:「……ぐぐれかす。これでいいのかしら」
:「それでよし。次。……いやいい、僕が選ぶ!」
:「ええと、『二人が住んでいる旧市街はどんな街なんですか? どんな住人がいますか?』」
:「(やっとまともな質問がきた)僕達が住んでいる街は、とあるXP搭載パソコンの中にあります」
:「持ち主が暫く前にVista搭載機を購入し、そちらが新市街。ミクちゃん達が住んでいる所です」
:「旧市街に住んでいるのは、僕達と、役場の事務員さんが二人、駐在さん他数名くらいかな」
:「ちなみにそれぞれの名前は、一太郎さんに花子さん、阿部源治(ウイルス駆除ソフトAVG)さんと言います」
:「そういえば、掃除夫(デフラグ)さんの名前は知らないな」
:「寡黙な方だから。私も会釈をするくらいだわ」
:「昔はもっと大勢いたんですが、殆どの人間は新市街の方へと引っ越して行きました」
:「私達は行けなかったの。残念だけど、仕方ないわね」
:「寂れてしまった街だけど、僕は好きだよ」
:「のんびりしてるものね。鳥さんはお手紙を配達してくれるし、狐くんは色々な物を見せてくれるし」
:「実はお化けもでます」
:「街の中の情報伝達を担当する“カタリとサトリ”なんかが代表ね。カタリは耳元でお知らせを囁き、私達がそれに答えたら、サトリが然るべき所まで伝言を運んでくれます」
:「いわゆる“ダイアログ”だと思ってください」
:「何せ古いので、キャッシュは蓄積し放題、ファイルは断片化する一方です。掃除夫さんがいくら片づけても追いつきません」
:「片づけきれなかったデータが、草木となって生えたり、雨や雪になって降ってきます」
:「新市街ではそういったことはないそうよ。管理が行き届いているのね」
:「まぁ、これはこれで味じゃないかと」
:「四季を堪能できるのは、旧市街住人の特権だものね」
:「さて、そろそろ時間かな」
:「そうね。最後にもう一曲紹介して、一旦お別れにしましょう」
:「管理人はミュージカル映画が好きらしいわよ」
:「音痴だしリズム感もないくせにね」
:「(今日は本当に毒舌だわ)それでは、また後ほどお会いしましょうね」
:「次は僕達と同じくパソコンの中に住んでいる二人の登場です」