:「こんにちは、ミクです」
:「リンでーす!」
:「レンです」
:「この時間帯は、メイコさんとカイトさんのご自宅の庭から、留守を預かる私達がお送りします!」
:『よろしくお願いしまーす!』
:「では、私達が今いる場所の説明から始めますね。ここはお庭の隅の、梅の木陰です」
:「葉っぱが青々としてて、風が吹くたびに良い匂いがするよ」
:「梅の木にはカイト兄が作った葦簀が立てかけてあって、木陰の範囲を広げてる」
:「私達が今座っている竹製の涼み台(ベンチ)も、カイトさん作です」
:「メイコちゃんは、よくここで読書してるよね」
:「本に茶色い革製のカバーかけてな。それもカイト兄が贈った物なんだってさ」
:【要は、
青空文庫のテキストファイルを
アリスビューアで開いて読んでいるのだと思って下さい】
:「……いたんですね、管理人」
:【え、ミクちゃんまでそんなこと言うの】
:「私達、お留守番役ですから」
:「不審者には厳しく対処しなきゃいけないんだよね」
:「とっつかまえて尋問するか」
:【不審じゃないよ! 人畜無害なペンギンだよ! 当然丸腰だよ!】
:「……確かに丸いですね」
:「ほんとだ、丸い」
:「丸いな」
:【丸さはどうでもいい! ところで私も日陰に入らせて。西日がジリジリしてて暑いよ。むしろ熱い】
:「暑いなら良い物がありますよ」
:【え、なんだろ。今ミクちゃん達が食べてるのと同じ、メイコさんお手製の水羊羹かな? wktk】
:「これです。どうぞ召し上がれ」(ビシュッ!)
:【うばっ!? 水!? 何だそれ!?】
:「カイト君が作った水鉄砲(竹製)だよ」(ビシュッ!)
:【あだだ、なんか痛いし!】
:「すっげぇ飛ぶんだ、コレ。至近距離で撃てば当然……」(ビシュッ!)
:【ぎゃーーー!! 待て待て君達! そういうのは人に向けちゃダメだって言われなかった!?】
:「言われました」
:「でも管理人は人じゃないし。ペンギンだし」
:「ペンギンって水好きだよな?」
:【好きだけど! そうだけど!】
:「じゃあ問題ありませんよね。リンちゃん、レン君、斉射三連!! ファイヤー!!」
(ビシュビシュビシュッ!)
:【gy(中略)
[音声が乱れております。動画をご覧になりつつ、しばらくお待ち下さい]
:(中略)ぁぁぁぁぁぁ!! 待て、納得いかん! ↑の動画も十分乱れてる!】
:『くたばれカイザー(皇帝ペンギン的な意味で)』
:【さっきから通じるか微妙なネタばっかり……あと、私はガラパゴスペンギンのつもりなんだけど】
:「そんな些末なことはどうでもいいんです」
:「そうだよ。お留守番は大切な任務なんだから」
:「メイコ姉が縫ってくれた浴衣がお駄賃だもんな。ちゃんと働かないと」
:【制服に休憩場所(おやつ付き)に武器に……福利厚生整い過ぎだろjk】
:「リン達を倒したかったら、このくらいの技は身につけてね」
:「もしくはこんなんでもいいぞ」
:【無茶言うな。大体、君達はあの二人に夢見過ぎ。結構アホの子だよ、特にメイコ女史は。
振り込め詐欺に引っかかりかけたんだから。中身はこんなもんだよ】
:「悪口ですか。許しませんよ」
:【わかった、悪かった。謝るから水樽ぶつけないで。質量攻撃は本気でヤバイから】
:「わかって頂けたら結構です」
(遠くで「ただいまー」という声がする)
:「! 帰って来た! おかえりなさぁぁぁぁぁい!」(ダッシュで玄関へ)
:【ミクちゃん……君って娘は】
:「メイコちゃんとカイト君が帰ってきたみたいなので、リン達はお家に入ります。お夕飯の準備を手伝わなくちゃ」
:「管理人も、カイト兄が弓を持ち出す前に帰れよ。見逃してやるからさ」
:【うう……なんたる仕打ち。なんたる言いぐさ】
:「というわけで、この時間はここまで。もう行っちゃったけど、ミクちゃんと、リンと」
:「レンでした!」